Photo Real 3D Technology

最近の3DCG技術として、フォトリアリスティックレンダリング研究があります。複数光源、陰影、カメラフォーカス、ハイライト等の自然界に忠実な光の計算を行い、実対象を目の前でみているようなスーパーリアル表現が可能です。大量の計算を必要としますが、アルゴリズム進歩、プロセッサ性能向上等により、最短数秒で1画像のレンダリングが可能となりました。

 

特徴として、

① 奥行感などの立体感向上

② リアルさ・現実感の追求

③ 各材料質感の再現を強化

があり、工業デザイン、インテリア、建築、映画映像等の分野で利用が進んでいます。

 

次の画像は、実物写真とフォトリアリスティックレンダリング画像ですが、実写真と見分けがつかない画像生成が可能となりました。

 

弊社では、先進的なフォトリアリスティックレンダリング研究を、CT・MR等の医用データに適用し、2020年、医用フォトリアル3D技術として、国内でいち早く製品化実用化しました。

 

次の図は、左画像が通常のボリュームレンダリング、右画像がフォトリアル3D技術によるレンダリングです。通常型に比べ、奥行きの立体感、現実感が大幅に向上しています。

 

下記の画像は、左が表面状態を確認する為にハイライト(光沢)を消して、マットな質感にしています。右は血管等の立体構造を把握する為に、光源を強くして陰影を強調し、立体感を上げています。このように用途目的により、質感の調整が可能です。

 

 

次の2画像は、頸部のCTデータから生成したフォトリアル3D画像です。血管の軟質感、人体組織のウェットな感触の再現を行っています。従来のボリュームレンダリング技術では不可能な表現です。

 

 

 

次の画像は、CTAデータによる胸部・肺のフォトリアル3D画像です。肺動脈、肺静脈、気管等の位置、形態が一目瞭然です。2枚目画像では、微細な肺血管構造の細部をクローズアップで描出しています。細部の描出に優れているのもフォトリアル3Dの特長です。

 

 

次の画像は、同様にCTAデータによる胸部のフォトリアル3D画像です。大動脈や心臓等をSagittal方向で立体断面表示しています。大動脈内壁の状態、石灰化の様子(白い箇所)がよく把握できます。

 

 

下記の2画像は、CTAデータによる脚部のフォトリアル3D画像です。大腿骨、膝関節、動脈の走行、各筋肉等の状態を鮮明に描出しています。2枚目の画像は陰影を調整して、奥行きや三次元形状が一目で解りやすくなっています。